長窪の切通し

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北鎌倉駅から徒歩25分程、六国見山の西側に「ザ・切通し」とでもいうような、切り立った崖が道の両脇に連なる「長窪の切通し」があります。

<番外編>鎌倉市農協連即売所

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朝から青空が広がり、急遽思い立って鎌倉七口をまわり始めた日の午後、前から立ち寄ってみたかった「連売(れんばい)」こと鎌倉市農協連即売所に来ました。以前も一度来ているのですが、夕方で即売所の中はひとっこ一人いなかったもので。

お猿畠の大切岸

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3つ目の名越の切通しを経て北方向に進んでいくと、まるで海食崖のように長く伸びる崖が現れます。

鎌倉時代の防御遺構と言われていたのですが、平成14年の発掘により、実は石切り場の跡地だったことがわかったというもの。

まんだら堂やぐら群

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やぐらとは、鎌倉時代から室町時代にかけ作られた納骨窟で、岸壁に掘られた洞窟のような横穴式の墳墓です。

鎌倉市内を中心にあちこちに残っていますが、その最大規模のものが名越の切通しにある「まんだら堂やぐら群」です。

名越の切通し

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「名越」はもともと「難越」から来ているともいわれ、交通の難所だった土地のようです。現在は鎌倉市と逗子市の境目となっており、合計6本の古いトンネルが走り、その上部に名越の切通しはじめとした史跡が残ります。

朝夷奈切通(鎌倉市側の入り口)

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鎌倉七口の中でも最も長い朝夷奈切通。
現在、途中が通行止めになっているため通り抜けはできません。なのでもしどちら側かを歩くのであれば、鎌倉市側がおススメです。道の脇を湧き水が流れる風情ある道が伸びています。

釈迦堂切通し

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落石・崖崩れの危険性から、現在は封鎖され近付くこともできなくなっている切通です。
実際には切通という形にはなっておらず、上部の一部が残りトンネル状態となっています。

遠くから見ても迫力のあるトンネル。

北鎌倉隧道(緑の洞門)

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現在は封鎖されており、その保護と復旧を巡る問題がニュースとしてもたびたび流れている、北鎌倉駅すぐ裏にある素掘りトンネルです。通行止めになっているだけでなく、現在は覆いもされているので見ることもできない状態ですが、何年も前、通ったことがあります。歩行者専用の小さな、そしてとても美しいトンネルでした。

安全は何より優先されるべきことなので、そのままの形で残せないのは仕方ないことかもしれませんが、この道が通行できなくなっていることで不便な思いをしている人もいると思うので、一日も早く解決するといいですね。


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ここが高野の切通しなのではと思うのですが、ネット上で検索すると「長窪の切通し」と「高野の切通し」の情報が混ざっており、同じ場所に呼び名が2つあるのか、それとも別々の場所なのかちょっと確認できていないので、あとで図書館で郷土史などの資料を探して確認する予定です。

<追記(2021/10/13>ここは高野の切通しではありませんでした。正しい場所はこちらです。

朝夷奈切通し(横浜市側の入り口)

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「朝夷奈切通し」は、鎌倉の東、現在の横浜市と鎌倉市の境目に作られた切通です。

さらに東にある六浦津との交通路で、東京湾を渡って房総半島に至る道でした。
鎌倉七口の中でも長く、切り立った崖や磨崖仏など、歴史感じさせる古道ということですが、2019年9月の大雨により土砂崩落などがあり、現在は途中に通行止めの個所があり、通り抜けることはできません。いずれ復旧した際には、通しで歩いてレポートしたいと思います。

三方を山に囲まれ南側は海、高い防御力をもった鎌倉。
そこに幕府が開かれ、人の往来が物流も盛んになった鎌倉時代、交通利便性のため山を切り開いて作った道、それが「切通し(きりとおし)」です。

細い道に苔むした崖。
古から多くの人たちが行きかった古い道は今、癒しの散策路にもなっています。