ユース泊のメリット&デメリット

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一般のホテルとは異なるスタイルなので、人によって向き・不向きもある。
管理人が個人的に考えるユースホステルの「メリット」「デメリット」をまとめてみた。

メリット

1.宿泊費を安く抑えられる
2.他の旅行者と交流できる
3.英語も通じスタッフがフレンドリー
4.伝統スタイルの建物や個性的な室内装飾など
5.洗濯機や共有キッチンが使える

1.宿泊費を安く抑えられる

中国の大学生の強い支持を得られている理由のひとつはやはり格安で泊まれる「ドミトリー」の存在。中国の大学は全寮制のため、ひと部屋に二段ベッドが並び他の人達と6~8人で一緒に生活することへの抵抗感はない。

ドミトリーは安いところであれば30元(1元=16.5元換算で495円)、北京・上海など大都市は高くなるが、それでも60~80元(同990円~1320円)で一泊できる。

なるべくお金をかけずに旅行したい人であれば、この価格はとても嬉しい。私は2014年1月に広東省・雲南省を中心に23日間旅行したが、ユースホステルを主に泊まっていたので、日本─中国間の航空チケットを除いた総予算はわずか73,000円で済んだ(うち宿泊費は18,000円ほど/詳細こちら)。

2.他の旅行者と交流できる

ユースホステルでは宿泊者同士の交流も重視されており、共有ラウンジではかなり遅い時間まで、別々の地域からやってきた旅行者同士が旅行話などで盛り上がっている。世界遺産を抱えた観光地などは欧米からのバックパッカーも多く、英語で話しかけている積極的な中国人大学生の姿も。

中国では日本のアニメを見て育った大学生が非常に多く、日本語を勉強したことはないけど「実は片言の挨拶とかできます」という人はとても多い。他の国と比べると日本人の宿泊者は少ないため、「日本から来た」というと興味津々で北海道や東京など中国人に人気の観光地の話や、アニメ・アイドルの話などをしてくる人も多い。

とくにドミトリー宿泊では、同室の人と必ず「どこから来たんですか?」「いつ到着したんですか?」など自己紹介をするので、片言の英語や漢字筆談で話をするきっかけにも。

「観光地まわって記念写真撮って終わり」

な旅行では物足りないという人、特に大学生や20代の若い人には、中国はじめ各国からの旅行者と広く交流できるユースホステルという場はおススメだ。

3.英語も通じスタッフがフレンドリー

外国人にとっては「若いスタッフが確実に英語できる」もユースホステルの大きなメリットだ。ラウンジで欧米系バックパッカーとジョークも交えながら流暢に会話しているスタッフの姿をよく見る。

もちろん一般のホテルでも一定以上のレベルの所であれば英語通じるところがほとんどだが、チェックインやホテル内サービスに関する用件が「通じる」程度であって、それ以上、観光情報をいろいろ教えてもらったりということは難しい場合も多い。愛想なさすぎて、時に不快な思いをさせられることも。

ユースホステルの場合、若いスタッフが中心で非常に流暢な英語を話す人が多い。そしてラウンジまわりには、中国語・英語で書かれた観光地への交通案内など手書きで書かれた掲示物も多く、いろいろ相談にも乗ってくれる。もちろん場所・人によるが、事務的ではなくとてもフレンドリーなスタッフも多く、「従業員と客」ではなく「ホストとゲスト」といった関係ができあがっている。スタッフと一緒に共有キッチンで夕食を作り、一緒に食べるところもある。

4.伝統スタイルの建物や個性的な室内装飾など

西安のユースホステルは築100年以上の歴史的な建物が使われていた。他にも風情たっぷりの古い建物をユースホステルとして利用しているとことは少なくない。またビルの一角のユースホステルであっても、内装を凝った作りにしているところも多い。

ラウンジの他、カフェバー併設のユースもかなりある。
ビリヤード台やボードゲーム、自由に借りて読める書棚などもあり、旅疲れした時には半日ほどユースホステルでゆっくり身体を休めることもできる。

5.洗濯機や共有キッチンが使える

一週間程度なら必要ないかもしれないが、10日から数週間の長期旅行の場合、「洗濯」は必須だ。ユースホステルはどこも洗濯機があり(無料・有料両方あり)、洗濯物を干す場所も用意されている。

またすべてではないが、共有キッチンがあり調理道具に食器、基本的な調味料がすべてそろっているユースホステルもある。市場で買ってきた新鮮な魚でおつまみを作って皆と一緒にビールを飲むなども可能だ。

その他、ラウンジにはインターネット接続できるパソコンが設置されており、無線LANもかならず用意されている。ドライヤー・傘などの貸し出しもあるので、必要なものがあったらフロントで聞いてみよう。

デメリット

1.ドミトリーの場合不自由さも
2.歯ブラシ・タオルなど自分で用意していく必要がある
3.欧米人以外は若い人中心
4.立地はいいが数が限られており満室のことも
5.施設によっては冷暖房がない

1.ドミトリーの場合不自由さも

ツイン・ダブルなど個室もあるが、ドミトリーに泊まった時の話。ドミトリー部屋の場合、4人~8人がひとつの部屋で寝ることになるので、やはり個室とは違い不便さは大きい。

一番大きいのは「同室者の物音で起こされてしまう」点だろう。
中国人の場合、日本人ほど同室の人に気を使わないので、夜遅い時間に帰ってきて他の人達が既に寝てしまっていても、あまり遠慮なく電気をつけ、がさごそ音をたてて就寝準備をしている。早朝出発組は割と気を使ってくれる人も多いが、やはり起きてしまうのは仕方ない。

荷物は鍵付きロッカーが用意されているところが大部分だが、いろいろな人が出入りするので、貴重品管理などはやはりしっかりしなくてはいけない。

シャワー・トイレなども共有になるので順番待ちとなることも。
その他、大きな荷物の置き場など、個室とは違って他の人にも配慮しながら生活する必要がある。

ただこのあたりは、慣れてしまえばそれほど問題はない。
最初は緊張もするが、中国の人は日本人以上に初対面の人ともすぐ打ち解け話を盛り上げる能力にたけており、外国から来た旅行者をもてなす精神も強く親切だ。わからないことは同室の人やスタッフに遠慮なくどんどん聞いていけば、すぐ勝手もつかめるはず。

どちらかというと几帳面で神経質なところもある日本人としては、部屋やバスルームの散らかり度合が気になってしまうことも多い(中国人より欧米系の宿泊者のほうがひどい)。そこは「自分の常識が世界の常識なわけではない」ことをしっかり認識し、無駄にイライラすることないようしたい。許容度越えて迷惑な人がいる場合はスタッフに相談してみよう。

2.歯ブラシ・タオルなど自分で用意していく必要がある

歯ブラシ、ボディソープ&シャンプーなどのアメニティ、タオル・バスタオルなどはドミトリーの場合用意されていないので(個室の場合用意されているところも結構ある)、自分で用意していかないといけない。

バスタオルはユースにより有料貸出もある。バスタオルは嵩張るので、普通サイズのタオルを2枚持っていく方が乾くのも早く楽かも。

昔の日本のユースホステルは、筒状になったシーツを自分で持参するルールがあったが(布団と掛布団の間にそれを挿入し、その中で寝る)、それは必要ない。ドミトリーの場合、フロントでシーツ・掛布団カバー・枕カバーを渡され自分でセットし、チェックアウトの時にはふたたび外してフロントに返却するルールのところが多い。

歯ブラシやお風呂用品を自分で持っていくのは不便と感じるかもしれないが、環境のことを考えても使い捨て商品に頼るのはあまりよろしくない。旅行用の小さな容器のものを探し自分で持っていこう。

3.欧米人以外は若い人中心

ユースホステルという名前の通り、もともと青少年のための施設。なので旅行者もほぼほぼ20代が中心だ。ただ年齢制限があるわけではないので、40代・50代それ以上の人が利用しても問題はない。

ちなみに管理人は40代女性だが、三週間ほどユースホステルのドミトリーに宿泊しながら旅行をしていた。正直チェックインの時や、部屋で他の宿泊者に最初に自己紹介する時は、多少恥ずかしさも感じる。

ただそれで変な目で見られたり差別されたという経験は一度もなく、「40代でもユースホステル拠点に海外を自由旅行しているなんて格好いい」とおだてられたことは何度も。敬語徹底している日本の場合、若い人にとって年長者と話をするのは少々気疲れしハードル高いところもあるが、その点でも中国は異なる。年齢離れていても「一緒に食事いこう」など気軽に誘ってくれる。

欧米人バックパッカーは3~40代やそれ以上の世代の人も結構きている。
年配者だとちょっと抵抗感もあると思うが、試しに飛び込んでみたらいいと思う。海外の若い世代の人達との交流からは、きっと多くの刺激が得られるはず。

立地はいいが数が限られており満室のことも

多くのユースホステルは非常に立地がいい。
北京であれば、胡同のど真ん中にあったり交通の便がいいところだったり。

ただ大都市・有名観光地以外はひとつの町にそれほど多くのユースホステルがあるわけではないので、場所はあまり選ぶことができない。時期によっては満室になってしまっていることも。

空き室状況は公式サイトで確認できる。
ドミトリーであれば、予約なしで当日突然いっても空いていることが大半だが、国慶節・旧正月前後はじめ中国の祝祭日前後に旅行する場合は、あらかじめ状況をチェックしていこう。

施設によって冷暖房がない

これは安ホテルも同じだが、時期によってはものすごく冷え込むのに暖房設備がないところなどもある。管理人が体験したところでは、中国南部の雲南省シャングリラ。冬は氷点下になる地域もあるが、一部の部屋をのぞき暖房がなく凍える寒さだった。

設備については公式サイトにかなり詳しく書かれており、各月の平均気温もネットで簡単に調べられるはずなので、真夏・真冬に旅する場合は、そのあたりも留意して決めよう。

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