40代以上だと、「若い頃よく国内旅行するのに使っていた」という人もいるだろう。
日本でのピークは1970年代、北海道はじめ全国各地に「ユースホステル」がオープンし、若い人で賑わっていた。
ユースホステルは、若い人達がお金をかけず安全に旅行できることを目的にヨーロッパで誕生した宿泊施設のネットワークで、全世界で5000以上の施設がある。国際ユースホステル連盟に加盟する各国のユースホステル協会が統括しており、会員制だが、会員にならなくてもビジターとして宿泊が可能だ。
中国では1999年に最初のユースホステル協会が設立され、大学生を中心とした若い人達の旅行熱の高まりから、ここ10数年の間に中国全土でユースホステルが続々誕生した。2014年1月現在、全国で200軒以上のユースホステルがあり、欧米など海外からのバックパッカー旅行者も多い。
「安く泊まれる」
という要素も大きいが、ユースホステル宿泊の最大の魅力はむしろ「他の旅行者とのコミュニケーション」。
ビリヤード台など置かれた居心地のよいラウンジで他の旅行者達と旅行トークで盛り上がったり、仲間募集ボードを使って一緒に観光する仲間を見つけるなど。
外国人旅行者にとっては、「英語がばっちり通じる」「若いスタッフがフレンドリー」「中国人の若い人達と交流できる」という点も魅力的だ。また中国のユースホステルは、建物や室内装飾も個性的で味ある作りになっているものも多い。中庭に面して部屋が並ぶ伝統的な四合院スタイルのユースも結構あり、普通のホテルとはまた違う楽しみも。
部屋は、ひと部屋に二段ベッドが2~4個並ぶ「ドミトリー(多人間)」以外に、ツイン・ダブル・家族用など様々なタイプがある。ドミトリーの場合安いところで一泊35元(約600円)から80元(約1400円)くらいまで、個室も比較的安い。
洗濯機や、共有のキッチンなどもあり、長期バックパック旅行をしている人であれば、洋服をまとめて洗濯したり、ユースで知り合った人と一緒に晩御飯を作って食べるといったことも可能だ。
実際のユースホステル施設がどんな感じかは、宿泊体験レポートを見てほしい。