世界遺産「クロムニェジーシュの庭園と城」~迷宮のような花の庭園

1998年にチェコで7番目の世界遺産としてユネスコに登録されたのが「クロムニェジーシュの庭園群と城」です。

日本人には発音がしにくいクロムニェジーシュは、チェコ第二の都市ブルノから西に70キロ弱の場所にあります。車で片道1時間ほどの距離なので、ブルノ拠点に日帰りツアーなどで観光するのが一般的なようです。

世界遺産名が「Gardens and Castle at Kroměříž」となっていることでお分かりのように、庭園はひとつではなく、城(クロムニェジーシュ宮殿)に隣接する庭園とは別に、少し離れた場所に「花の庭園」と呼ばれる庭園があります。

先にこちらに向かいました。

地図上で「クヴィエトナー庭園」と書かれている四角い場所です(「クヴィエトナー」は「花」の意味)。

最初に飛び込んできたのは、ハーブ園的なお庭。
両脇は高い木の壁で仕切られています。

その木の壁の中に入ってみると・・・

両脇、平らに剪定された木の壁に挟まれた回廊に。
まっすぐな道はかなりの距離があり、これを維持するだけでも結構大変そうです。

しばらく行くと・・・

こんな回廊が現れました。
柱の上部には一体ずつ、ギリシャ神話などモチーフにした胸像が取り付けられています。

行き止まりに建っている人が米粒に見えるほどの長い長い回廊。

といっても、その先に建物があるわけでもなく、一体何と何をつなぐ回廊なのかと、その存在意義に首を傾げてしまうもの。そして回廊の中にも彫像がずらり設置されています。

一体この回廊が何のためにあるのかは、右端の入り口を入ってゆくとわかります。中は階段になっていて、上にあがってゆくと・・・

回廊の上に出ることができるのです。

そう、この回廊はこうして上部から庭園全体を見下ろすためのものだったのです。

クロムニェジーシュ宮殿はもともとオロモウツの司教によって建てられたもので、その後大司教の邸宅となった場所です。

宗教者である大司教の「宮殿」「城」などというと、我々日本人的にはちょっとピンとこない部分もあるのですが、中世ヨーロッパにおける大司教は広大な領地をもち、国王にも匹敵する権力者です。こうした手の込んだ庭園も権力の証。多くの王侯貴族がゲストとして招かれ、この場所から庭を眺めたことでしょう。

中には長い自慢話に、「もういいから宮殿に戻って早くワイン飲もうぜ」なんて思っていた人もいるかもしれません。

この文様は、その時々で頻繁に変わるものではなく、設計図のようなものもあり、それに基づいて庭師が刈り込んでいるとのこと。

私たちが訪れた時は緑一色でしたが、時期によってこの文様の内側に花が並べられ、色鮮やかな絵が描かれるのだそうです。

●Googleで「Květná zahrada」画像検索

中に入れられているお花は、長い間咲き続けるベコニアや葉ボタンなどのようです。

ふと反対側を見下ろすと、そちらは庭園の外部。
碁盤の目に張り巡らされた道路に横断歩道、信号機、たくさんの標識。

「自動車教習所?」

と思ったのですが、見る限り車は走っておらず、いるのは親子連れ。
子供のための交通安全トレーニング場みたいな場所なのかもしれません。

庭園内の放射線状に伸びた道の中央に作られた、丸いドームを持つ建物ロトンダは、中に入って見学することもできます。美しい天井画!

そこから今度は、庭園の南半分へ。
長方形の形をした花の庭園は、実は南北2つにわかれた、ほぼ正方形の形をした庭園を並べたもの。南側はがらり雰囲気も変わります。

大きな温室もありました。

こちらには色とりどりのベコニアを中心とした花が咲いていました。
北側の庭園の緑の文様の中に入れる花も、きっとここで育てているのでしょう。

こちらの建物も温室です。

その周囲も、曲線と直線を組み合わせて刈り込んだ、凝った文様になっています。
いったいどれだけの造園技師さんが、この庭園の管理維持にかかわっているのでしょう。想像を超えます。

ここは覗き込むと、隙間にお花がびっしり咲いていました。

こちらはパンジーとチューリップ。
パンジーは冬から春にかけてかなり長い間花を咲かせますが、チューリップの開花時期はそれほど長くありません。

きっと訪れる季節によって、いろいろな花が楽しめるのでしょう。

相当広い庭園でしたが、それでも「小さいほう」なのです。

ここから再び車に乗って、クロムニェジーシュ宮殿とそれに隣接する庭園に向かいます。

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