離れて暮らす高齢の親の見守りと遠隔サポートのため実家をDIYでスマートホーム化する方法

実家をスマートホーム化して親を遠隔見守り!

実家をスマートホーム化して親を遠隔見守り!

帰宅すると既にエアコンが稼働していて部屋は程よい室温、風呂の準備もばっちり。音楽もテレビも声だけでON-OFFでき、窓を締め忘れて外出しても、スマホでチェック&施錠──。

そんな最先端の居住空間・スマートホームは、実は特別なものではありません。昔ながらの住宅でも最新のネット接続家電でなくても実現可能です。そしてITに馴染んだ世代のものだけでなく、むしろ高齢者の生活にこそ必要なんです。

INDEX

  1. 高齢者にこそスマートホーム化/独居高齢者のリスク
  2. 足腰弱った人に便利な音声コントロール
  3. 離れて暮らしていても「見える」「わかる」
  4. システムに頼ることで心の余裕を
  5. 自分たちのシニアライフに向けての準備も

高齢者にこそスマートホーム化/独居高齢者のリスク

「高齢者にこそスマートホーム化」
──そう考える理由はいくつもあります。

  • 加齢で身体の自由がきかなくなってくる
  • 判断力・認知力が衰えいろいろ忘れやすくなる/できなくなる
  • 高齢者宅は犯罪者にも狙われやすい
  • 脳梗塞などで倒れた時すぐに発見されないと命にもかかわる
  • 離れて暮らす子供が見守れるサポートできる体制が必要

誰もが迎える老い。
ちょっと立ち上がって何かを取りにいったり、天井照明をつけるだけでも足や腰に痛みが走ったりし、憂鬱で億劫になってしまいます。もちろんかといって身体を動かさないのはよくありませんが、調子が悪い時に無理すれば転倒リスクも高まります。

また判断力・認知力も段々と衰えていきます。
今まで何の問題もなかったテレビやエアコンのリモコンを見ても、どのボタンを押せばいいのか悩んでしまうなんてことも。認知症の初期には、今日が何日なのか、病院の診察予約をいつ入れているのかなどもわからなくなり、間違った日に通院してしまう事態も多々。

判断力が衰えると、人の話に誘導されやすくなるものです。悪質なセールスに狙われ、高額な住宅補修費を支払う羽目になった話なども聞きます。

夫婦どちらかが先に旅立てば、日常生活はさらに難しくなります。もし脳梗塞を発症したり、転倒して自力では立ち上がれなくなったら、誰にも気付かれないまま数時間が経過してしまいます。これは時に命に関わる問題です。

それゆえ離れて暮らす子供の見守りが必要なのですが、電話やLINEだけでは不十分です。電話に応答がない場合「一体何が起きているのか」皆目見当もつかず、かといって近くに親せきもいない場合、鍵のかかった実家の中の様子を近所の人に見てもらうというわけにもいきません。いざという時に迅速な対応をとるためには、家の中の状態を確認できるシステムが必要です。

足腰弱った人に便利な音声コントロール

「いちいち立ち上がらなくてもお風呂沸かしたり来客応対できる」
「自動化をセットしておけば同じことを繰り返さなくて済む」

そんな便利さがあるスマートホーム化ですが、とりわけ筋力が衰え、身体の不調も多くなる高齢者にとってのメリットはさらに大。

足腰が弱ると、ちょっとソファから立ち上がるだけで大仕事になります。踏ん張って力を入れないといけませんし、転倒しないよう慎重さも求められます。そして膝や腰の痛みにも襲われます。

そうなると億劫で、朝になってもカーテン開けず暮らしたり、日没後も暗いままの部屋で過ごす高齢者も少なくありません。これでは気分だって落ち込みますよね。

「全部リモコンにすれば済む話」

と思うかもしれませんが、古い住宅の天井照明はシャンデリアタイプで、電球や蛍光灯を変えてリモコン化するのがちょっと手間な場合もあります。親に打診しても「今のままでいいよ」と断られちゃうケースもあるでしょう。リモコン操作もだんだん覚束なくなってゆくのです。

そんな時、「OK Google 電気をつけて」「Alexa エアコンを消して」など音声コントロールができたらどうでしょう。

立ち上がらなくてもいい、リモコンを探さなくていい、リモコンのどのボタンを押せばいいのか考えなくてもいい。もちろん最初の「OK Google」「Alexa」を覚える必要はありますが、それは紙にカタカナで見やすく書いてテーブルに貼り付けておけば大丈夫。短いフレーズなので何日も使っていると高齢者でも割と覚えてしまうものです。

スマートディスプレイを導入すれば、「OK Google 今日は何日?」と聞くだけで日にちや曜日を教えてくれますし、離れて暮らす子供がGoogleカレンダーに通院日程や外出予定を登録しておけば、「今週の予定を教えて」というだけで音声&テキストでスケジュール確認ができるのです。

「お母さん、病院は来週の月曜日で今日じゃないから」

電話越しにそんな会話を何十回となく繰り返している方には、その導入メリットきっと理解してもらえると思います。

離れて暮らしていても「見える」「わかる」

親自身にとってのメリットはもちろんですが、遠隔での見守りやサポートをしている子供や身内にとっても大きなメリットがあります。

それは実家の中で何が起きているのかが、現地に駆け付けなくても「見える」「わかる」安心感が得られるということです。

足腰が弱ってきた高齢者は、家の中のちょっとした段差やモノでもつまづき転倒します。しかも咄嗟に受け身をとれず頭をぶつけたり、背骨や腰の骨を骨折してしまったりして、身動きがとれなくなりやすいのです。脳梗塞などの発症や、今なら新型コロナで発熱・症状の急変ということもあるでしょう。

実家にネットワークカメラが設置されていれば、スマホアプリから目視で状況確認ができますし、動体検知で録画・保存されているクラウド動画を確認すれば、何が起こったのかなども把握できます。

カメラ越しで倒れている親に話しかけながら救急手配をすることもできるでしょう。

また人感センサー・開閉センサーなどを取り付けておけば、「あれ、今日はトイレにずっと行っていない」と異常事態により早く気付くこともできます。

システムに頼ることで心の余裕を

介護では時に心の余裕も失い、さらに「親の安全のため」という気持ちが強まるほど、相手にきつく当たってしまいがちです。例えば「毎回通院日間違えているじゃない。ちゃんと確認してから外出してよ」とか「30度超えたらエアコンつけてって言ってるでしょ」など。

親の判断能力や記憶力が落ちていて、言っても効果がないとわかっている。だけどつい口を開くと「ちゃんとしてよ」と責めてしまう自分を嫌悪し、結果双方ともにストレスを貯めてしまい関係がギスギスしてしまうこともあります。

認知・判断力の低下は、おそらく実際に当事者にならなければ理解はできないのでしょう。
「ちゃんとしてよ」と言ってもどうしようもない問題ならば、親の記憶力や判断力に頼るのではなく、また自分自身のマンパワーでカバーしようとするのではなく、システムで何とかできないか工夫してみることも大事です。

例えば「30度超えたらエアコンつける」は、ごく一般的なエアコンでも、スマートリモコン・ネット連携温湿度計を組み合わせれば自動でできます。人がいない時でも勝手につけてしまわないようにするなら、一定以上の室温になったらLINE通知が来るようにし、その後ネットワークカメラで居間の状況を確認し、遠隔操作でエアコンをオンにする方法でもいいでしょう。

勘違い外出も、玄関ドアにセンサーやネットワークカメラを取り付けることで阻止できる可能性は大です。

自分たちのシニアライフに向けての準備も

高齢の親の様子に、自分自身の老後に不安感を強めている人もいると思います。親年齢までいかなくても、今後身体の自由がだんだんきかなくなりはじめ、記憶力も低下してゆくのは避けられません。

親のためのスマートホーム化の取組は、これからシニアライフを迎える自分たちの情報収集と準備にもなります。「これは便利だな」「こんなこともできるのか」という新しい発見も多数あるはずですし、漠然と抱いていた不安感の解消にもつながると思います。

人生100年時代。

心身ともに健康なのが一番ですが、仮にそうでなくても工夫次第で暮らしやすい環境を作ることはできます。