[インタビュー企画第三弾] モバイルウォーカー nishida氏

オフィスを持たない“モバイルウォーカー”nishida氏 「ホットスポットはまさに待望のサービス」

かなりヘビーなホットスポッター、nishida氏 記事作成:2003/12/02

かなりヘビーなホットスポッター、nishida氏

「HOTSPOT」を運営するリーディングカンパニーNTTコミュニケーションズの加納氏、そしてバリエーション豊かなインターネット接続サービスを提供する赤坂エクセルホテル東急の村瀬氏・・・話を聞いているだけで思わずわくわくしてくるような魅力いっぱいのお二方に話を伺ったところで次は・・・?

そう、やっぱり次は、ホットスポット利用者だろう。しかも月に何回かWEB閲覧やメールチェックに使う「普通の」ユーザじゃなく、ヘビーユーザーがいいな。

ということで、当サイトの掲示板をきっかけにメールをやりとりするようになり、今年の3月には一緒にオフ会も企画したnishida氏に、お話を伺うことにした。

会社員じゃない謎の人─nishidaさん、普段どんなところで活動しているんですか?

バイオC1と無線LAN内蔵のクリエ「UX-50」
バイオC1と無線LAN内蔵のクリエ「UX-50」

活動の拠点は六本木エリアか、渋谷エリア。まあ、要は自宅に近いか、あるいはどこにでも1本で行ける場所ってところかな。行くところはインターネットが使える、特に無線LANでアクセスできるところ。いやそれよりも、電源が使える所と言った方が良いかも知れない。

例えば、道玄坂下のモスバーガー。あと、東京山手教会の地下にある、「ルノアール 渋谷公園通り店」、あそこも使いやすくていいよね。広いけど、ほとんど人がいないことも多いしね。
#私もあそこ、大のお気に入りでした。

初期の頃なんかは、毎日あそこを使っていたよ。最初1ヶ月ぐらいは、誰も他にパソコンを使っている人はいなかったけれど、そのうち、もう一人、パソコンを利用する若い男性が現れてね、この間久しぶりに顔をだしたら、なんと3~4人の人がパソコンで作業していたよ。


ちなみに・・・
お話を伺った場所は、nishida氏のホームグラウンド、六本木交差点近くにある、モスバーガー六本木店。なんと4Fフロアーまである大きなモスバーガーだ。店内のフロアー案内をよく見ると、4FのところにHOTSPOTロゴも。ちなみに喫煙席。4Fフロアは、時間帯のせいか、メイクばっちりの若い女の子達がいっぱい。(出勤前か?)

モスバーガー六本木店看板フロア案内の4F部分にはHOTSPOTロゴが 管理人のお気に入りはホットチキンバーガー、いつもセットで注文する




ホットスポッターの隠し道具─ふたまたソケット

nishida氏
そういえば、最近思うんだけどね、ホットスポットでパソコン使っている人って、Let's Note使っている人が、すごく多いんだ。それってやっぱり、バッテリーかな。7時間くらいもつものがあるでしょ。モバイルやっている人にとってバッテリーはものすごく重要な要素だね。

でね、最近持ち歩いているものがあるんだ。ふたまたソケット。ルノアールでもそうなんだけど、店内に電源があって、店員さんが使っていいと言ってくれるところでも、スタンドとかでふさがれちゃっていることあるでしょ。そういう場合に、これが重宝するんだ。一瞬スタンドのコードを抜いて、ソケットを差し込んで、それでパソコンでも使えるようにする。
#うーん、それは思いつかなかった。。。

ホットスポットは、どんどん使いやすくなってきている。特に電源。使っていいというお店が増えているよ。このお店もそうでしょ。ほとんどの席に電源がついている。ホットスポット用に工事してつけたというのではなく、できたのも比較的新しくて、最初からついていたと思ったよ。

電源使っていいよって明示はされていなくても、実際には使えるところもある。渋谷のスターバックス、東三丁目の場外馬券上の近くにあるお店も大丈夫。いや勝手に使っているんじゃないよ。最初に、聞いたの、「使ってもいいですか?」って。そうしたらいいよ、と。

クリエ「UX-50」・・・これ欲しかったんです
無線LAN内蔵の新クリエ「UX-50」
本当に小さくてキーボードも打ちやすい!
「いや最初だけ。使っていると結構大変」とのこと。

アクセスポイントをチェックするのにいいかも。
(まあそれだけのためなら高価すぎるが)

使っていい店かどうかの識別は、けっこう難しいね。この近くのウェンディーズでは、怒られちゃったし。

都内のホットスポット、だいたい自分がよく行くところは、もう決まっていて、頭の中に地図ができあがっているんだけど、何で選ぶのかっていうと、やはり電源が使えるかどうか。まあ、本当は自分などありがたくない客だけどね。長居しちゃうわけで、店の回転率を下げているわけだから。とは言っても、普通ならこんな極端に使う人はまずいないわけで、お店側がそんなに危惧することじゃないと思うよ。

あ、でもルノアールで使っている人は、結構長いな。はっきり言って、ルノアールがホットスポットやるまでは、ほとんど使ったことなかった。ルノアールと言えば、「中年サラリーマンが昼寝しにいく場所」というイメージだったね。でも最近は、若い人も足を運ぶようになったんじゃないかな。2-3日前に秋葉原のルノアールに寄ったんだけど、若い人達もけっこう来て、パソコンしていたよ。昔なら絶対「寝ている」か「新聞広げているか」だったね。





長いモバイラー歴、電源確保がずっと課題

席には目の前に電源があって自由に使える
各席で電源確保ができる/携帯の充電をしている人も
今はこれ、2年前に購入したバイオのC1がメインマシーン。C1は二代目で、その間はバイオノートSRを使っていた。一番最初に使ったのは、まだ白黒モニター時代のNEC9800シリーズ。あの当時のはバッテリが全然持たないんですよ。で、外にも持ち出して使うためには、バッテリ確保できる場所が必須。いつも、どうしようかって考えながら持ち歩いていた。

で、喫茶店とか「すみません、ちょっとバッテリ切れちゃったんですけど使っていいですか?」って聞いて、いいですよーって言ってくれるところもあってね。
あと、当時学生だったんで、外でバイトなんかしてる間に電源を繋ぎっぱなしにしておいたり、授業中には、講義聴いてるふりしながら教室の端っこのほうにある電源を使って、パソコンで仕事をしていたり。





ところでホットスポットで、何してるんですか?


nishida氏
いろいろあるけど例えばこれ、アメリカのTV番組が入っているんだ。これを日本で放送するのに、吹替えをやるんですよ。(PCについているイヤフォンを耳に装着するnishida氏)で、こっちで動画を見ながら、ワードを立ち上げて、番組を視聴しながら、がーっと文章を書いていく。それまでは、ビデオを早送りしたり、巻き戻ししたりしてやっていたんだけど、パソコンならそれに動画を取り込んじゃえば、その横で文章を入れてゆくことができる。ネットワークにつなげれば、情報入手もこれ一台でできちゃう。ひじょーにありがたい。
あと、番組にナレーションをつけたりする時も、こうやっているね。実際、番組のナレーションを書いたりする作業だと、1時間ものでだいたい10時間くらいかかるんですよ。そのくらいになると、こういうところでやるとまわりがうるさいので、広尾の図書館にこもっちゃってやるけどね。

よくモバイラーの方って、「動く書斎」とかいうじゃない。
でね、ある人が、面白いの紹介してあげるっていって教えてもらったのが、ソースネクストの「携快電話 Office」

これがかなり便利でね、外出先でもFAXをパソコンで受信できるの。ある固定の電話番号があって、そこにFAXが送られてくると、それがサーバにためられて、パソコンで見れるような仕組み。もちろん、番号は一人いっこ固定で割り当てられている。実際、仕事でFAX使うこと多いじゃない。で、どこにFAXに送りましょうかとか聞かれると結構困るのよ。自宅に送ってもらうと、夜、家に帰るまで受け取れない。で、わざわざ知り合いの会社に送ってもらって、取りに寄っていたこともあったし。

で、これを使い始めて、「あぁ、動く書斎とはこういうことなんだな」って思ったわけよ。自分の会社の決算だとか請求書の関係だとか、いろいろパソコンでつくるじゃないですか。ぼくなんか、自分の事務所がないから、自宅にいられない時には、どこか喫茶店で請求書作って、どこかにもぐりこんで出力して、図書館で社判押して発送したりね。モバイルとかホットスポットとか、動く書斎というのは、時代もかわって本当に便利になったなあと思う。





ホットスポットの高速アクセスは?

天井にアンテナ
4F入って右奥天井にアンテナ
これが無線LANの?
高速回線でインターネットにつなげられるメリットをすっごく実感したのが、おととしの貿易センタービルのテロの時。あの日外出していてね、で、電話でこういうことがあったって連絡があって、「見てます?」って言われたけど、見ているはずがない。で、ネットにつなげて、CNNで二発めの飛行機の爆破は、このバイオで見た。

こりゃすごいことだな、と。

あともうひとつ思ったのは、つい最近の話なんだけど、ディレクターが取材で沖縄の離島に行っていて、台風で撮影したものが持って帰って来れなかったのよ。デジタルで撮っていたんで、これ何とかならないかなと。それでインターネット経由で東京に送っちゃえということになって。でも、その時、送り手側には64Kの回線しかなくて、結局ダメだった。
日本でもホットスポットのようなものが広がっていけば、重いファイルもどこでも送受信できるようになる。いろいろ面白いことが可能になってゆくと思うよ。

あと、最近は企業も自社サイトで相当な情報を公開しているから、問合せなどをすると「それ、ホームページにあるんで、そっちを見てください」って言われることが多いのね。見てくださいって言われても、外出先じゃあ思うようにいかない、どうするのって感じなんだけど、ホットスポットなら、その場ですぐに見ることができちゃう。これはなかなかありがたいことだよね。いちいちうちに帰って確認する必要もなくて、その場で仕事がすんじゃう。NTTコムさんに感謝しているところだね。



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最近増えてきた無線LAN内蔵パソコン。
でも使い方がよくわからなかったり、セキュリティが不安だったりで使いこなしていない人も多い。
そんな人のお手伝いもしながら、無線LANスポットサービスについてももっと多くの人に知ってもらい、
結果としてスポット数を増やし、利便性がもっと高まるようにしたい・・・とのこと。

他にも、視聴覚障害などを抱えた人にとってのパソコン・インターネットというツールの価値など、
いろいろな話を伺うことができました。

ありがとうございました!


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