■ルクソール(2)気球
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ルクソール西岸の空き地に、気球はふんわりと横たわっていた。私たちがバスから降りると、数分で上に向かってたちあがっていった。
気球から見た王家の谷とその後方に広がる荒涼とした丘。土地は赤っぽい色をした茶色。地上から見ていたときには、そこで世界が終わる「壁」のように感じていたのだが、その先にもずっと砂漠地帯が広がっているのを上から見ると地理感覚が変わる。角度を変えるって、やっぱり大切だね。
イギリス人って、今まで感じの悪い人に会ったことがないが、「世界中で気球を飛ばしている」という気球パイロットのこのイギリス人も、ほのぼのした海外在住英国人。シャツの袖はちょっと汚れているのに、靴はピカピカ、洒落たタイ(名前忘れた)をまいて、ジョークとウィンクを連発していた。
朝日がのぼりきると、くっきりと気球の陰がさとうきび畑に映し出された。
気球はふくらまして飛び上がるより、着地して片付けるほうが何倍も大変なようだ。毎日飛ばしているだろうに、「ちがう、ちがう」「急げ」「走れ」など怒鳴りあいながら作業していた。
ひとりひとりに、パピルスに書かれた「飛行証明書」とTシャツが手渡しされる。この後、太鼓に合わせてみんなで踊った。飛び入り(タダ)参加の私も、もらった。
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