薬剤師が生み出したハーブリキュール(薬草酒)・ベヘロフカ博物館

チェコといえばビールなのですが、実は薬草酒でも世界的に有名なものがあります。
それが「ベヘロフカ」。

日本人的に薬草酒というと「養命酒」のイメージですが、ヨーロッパにはイタリア中心に数多くの薬草酒があり、例えば有名どころではオレンジジュースなどで割るカンパリもそのひとつ。おそらく「ハーブリキュール」と言ったほうがより近いイメージかもしれません。

「ベヘロフカ」はチェコを代表するハーブリキュールで、1807年に薬剤師のヨーゼフ・べベールによって生み出されました。

本社は温泉で有名なカルロヴィ・ヴァリのメインストリートからも歩いて行ける場所にあり、博物館や直営ショップ・レストランなどが併設されています。

博物館ではガイドさんがベヘロフカの歴史について解説をしてくれます。
これが初期に作られていた製品。

オレンジオイル(ピール)、シナモンなど明らかにされているものもありますが、100種類を越えるという材料のハーブ、そしてレシピは門外不出で、現在それを知っているのはわずか二人だけとのこと。

一体この袋の中身はなんなのか、内緒と言われると非常に気になります。

胃にもいいとその効果が認められ、ヨーロッパ中でその名が知られるようになり、カルロヴィ・ヴァリを訪れた人たちがお土産に買っていくようになったそう。日本でも有名な温泉地で、健康や長命に絡むお土産が売られているのと似てるかもしれません。

地下にある博物館は、少々薄暗い通路の両脇に小さな小部屋があり、ベヘロフカ開発風景や初期の製造シーンなどが、やや無気力気味な表情の人形を添えて再現されています。

そしていよいよ試飲タイム。
実は自分、飲むのも完全に初めてです。

試飲する製品は4種類。

左からレモン入りのもの(レモンド)、オリジナル、はちみつ入りのもの(コーディアル)、シュガーレスのもの(KV14)。

好みは人によってかなり別れましたが、コーディアルはシロップかと思うほどの甘さで、これは何かで割って飲んだら美味しいだろうなと思う味。レモンドは非常に飲みやすく、でも私が一番気に入ったのは薬草酒ならではの複雑な味も楽しめるオリジナルでした。

アルコール度数はレモンド以外すべて30度以上とかなり高めなので、もしペットボトルの水など持っている人なら、途中で少し薄めて飲んでみてもいいでしょう。原液のままだときついかなと感じた人もちょっと薄めるだけでぐっと飲みやすくなるはずです。

カクテルレシピのリーフレットも用意されています。
苦みを活かし果物やフルーツジュースなどと合わせたら、確かに美味しいカクテルになりそうです。

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同じ建物内には直営レストランも。

こちらも博物館と同じく地下にあり、アーチ形の天井でレトロな空間。ベヘロフカがメインなのかと思ったら、なんと店内でビールを醸造しているブリュワリーレストラン。自家製ビールを飲むことができます。

ベヘロフカも、オリジナルとレモンドの炭酸割が用意されていました。

ここで必食は、チェコを代表する料理のひとつスヴィーチコヴァ・ナ・スメタニェ。
チェコ2度目で各地でこの料理を食べたことがある2人が「今まで食べた中で最高」と太鼓判を押していました。

確かに美味しかったです。

お肉は柔らかく、果実味もあるソースはフルーティーさもあって絶妙。

他ですでに食べているという方もぜひお試しあれ。

(初期記事公開日時: 2017年5月21日 @ 08:38)